*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
「……ありがとう、先輩」


そう微笑みながら伝えるけれど、心に光が宿ると同時に体は震え出し、目尻からまた涙が流れ出した。

先輩は、すぐに私の僅かに冷えた両頬を暖かな手で包み込み親指で涙を拭うと、なぜかクスッと笑い出す。


「……思い出した。冬にする時に静電気が起きない方法。もう大丈夫。……試してみる?」


一瞬意味がわからずキョトン……。

先輩は、そんな私に悪戯に唇を歪ませる。

……ピン!

それ……キスの時にってこと?

掌で私の頬に触れたから……。

そう思った途端顔が火照り紅くなったこと悟られたくなくて、スッと顔を下にそむけてしまった。
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