*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
「……どこか予約でもしてるんですか?」


「予約は、してない。けど今日中に絶対行きたい店がある」


店……時間的に食事?

先輩をチラリ見ても怒ってる気配はなく、私はホッとして運転姿に見惚れ出す。

こんなふうに先輩の運転姿独り占めできるなんて幸せ……。

サロンでは、どうなることかと思ったけど、雨降って地固まる……なんて可愛いもんじゃなく、凄まじい嵐に吹き飛ばされたにもかかわらず、奇跡的にスーパーヒーローに助けられた気分。

過去最高に血の気が引く思いしたけどね。

私は、突然訪れたこの世の春にまだ信じられないと思いながら、先輩をチラチラ何度も見つめた。

すっかり暖かい車内は、まるで春のまどろみのように感じられ、体も心も幸せいっぱ~い!

もう先輩と離れたくなくて、すっかり安川様の件は忘れ去られていた。
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