＊Dear……＊～ハイスペック男子と甘いLove Storyを～

でも今は、暖かな温もりと唇だけでいい……勇気を出して体を左に寄せ、ドキドキしながらそうっと目を閉じると、すぐに微笑む気配がして後頭部を引かれる。

目の前に先輩の吐息を感じると、胸の高鳴りは最高潮。

でも触れたのは唇ではなく暖かい両掌で、私の頬を優しく包んだ。


｢これで大丈夫のはず｣


……あ、静電気？

先輩の囁くような小声に目を開けた瞬間、ほんの一瞬だけ待ち望んだ唇が触れた。

……これだけ？

先輩は、私の心の声がきこえたかのように悪戯な笑みを見せるが、またガラリ表情を変えると瞳の中に情熱の炎を燃え上がらせる。