*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
『忘れたら……今度こそお持ち帰りして、朝まで補習だな。……だから忘れてよし!』


『……バカ』


めちゃくちゃニヤニヤして覗き込む先輩の肩に必死に隠れながら、ついそんな言葉が出てしまった。


『……最後の最後に……ったく』


けれども先輩の『最後』という言葉に急に現実に引き戻された私は、ふと泣きたい気分で俯くが、またすぐに顔を上げた。

そして泣きたくなるほど愛しすぎる眩しさ全開の笑顔をしっかり焼き付ける為、必死に笑みの仮面をかぶり見つめ続けた。

そんな私に先輩の瞳もスッと陰りを見せ、この震え出した唇に先輩の柔らかな唇が、そっと重ねられたのだった。
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