*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
キャーッ! まだ気が早い~。

まだ合鍵返してもら……。

合鍵を思い出したとたんピタリBGMは止み、花びらは一瞬で消滅。

白黒どっち付かずのグレーな現状に思い切り溜め息を付く。


「……どうしたの? 超ニタニタから超ブルーになって」


両手のカップを机に置き、不思議そうな顔でまた正面に座る先輩を、頬杖付いたまま情けな~い顔で見つめる。


「……合鍵奪還司令って?」


「ああ、たぶん直接会わなきゃ返さないとでも言って呼び出して、もう一度泣きのプロポーズ入れてくんじゃね? ってのが、奴の見解。だから内緒で付いてって脅してでも奪って来いって。だから一度、美愛ちゃんから連絡取ってくれる? まぁ引越しするのが手っ取り早いけど、親戚の家だし色々面倒だし時間もないし。鍵変えるのも許可いるよね? ……あいつプロポーズに揺れてないか超心配してる感じ。……俺さ、ずっと二人をくっ付けたくて仕方なかったから、よく美愛ちゃんネタぶっ込みしてたんだよね。でさ、嫉妬心刺激したくて、美愛ちゃんがプロポーズ待ち中とか、二十八で結婚するのが夢とか話してたんだ。それ気にしてるのかも……」
< 489 / 581 >

この作品をシェア

pagetop