*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
出来るだけ手早く、でもアイメイクは念入りに済ませドアを開けると、先輩はすっかりハイスペックサラリーマンに変身!

私を見るなり笑った。


「綾瀬チーフの出来上がり」


「先……副社長だって今朝もお見事ですよ」


先輩は、つい『先輩』が出ちゃう私をまた楽しそうに見てくる。


「別によくない? 先輩でさ。そんな隠すこと? ……例えば俺達が付き合うとする。そしたら美愛ちゃんは、俺とのことひた隠しするの? 社内恋愛禁止でもないのに俺が副社長だから」


先輩は、なぜか不満げに恨めしそうに私を見てくる。

私は、全く意味不明の質問と態度に唖然……。

なぜそんなぶっ飛ぶ?

付き合ってもないのに、なぜか責められてる気分になる。

……でも先輩の気持ちもわかる。

自分の肩書きで秘密にされたら面白くないよね。

でも彼女の立場に……って、私じゃないんだからやめよ。
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