意地悪な彼ととろ甘オフィス
「中三男子は、あんなしつこくいやらしいことしない」
「するって。それこそ覚えたてのサル状態だと思うけど。だって俺、中二くらいから明日香のこと想って自分で……んむ」
いらないことを話す響哉くんの唇を、キスで塞ぐ。
もう、夜も深い時間。
「……黙って」と吐息が触れる距離で言うと、色気をたっぷり含んだ目を細められる。
これでよく〝中三男子〟なんていう言う。
「じゃあ、明日香が黙らせてよ」
意地悪な態度をとられても、冷たく突き放されても、どうやったって手離せなかった恋心。
ズタズタに傷ついても、ボロボロになっても、ずっと持っててよかった。
大事にしていて、よかった。
そう実感しながら、微笑んだまま待つ響哉くんに近づいた。
END
2017.9.15