お見合いさせられました!
「早川さん、つき合ってる人いないんですか?」


「いないです。っていうか、こんな私にいるワケないじゃないですか」


「なに言ってるんですか!もったいない!立候補したいって人、社内にうじゃうじゃいますよ!」


「そんな奇特な人いないですよ」


「じゃあ紹介します!」

本当に紹介されかねない雰囲気。
しかも部長も紹介するって言い出すもんだから困る。

だから私は宣言する。
結婚願望ゼロって。

私の恋愛事情のことなんて、ほっておいてくれたらいいのに。
私は愛ちゃんみたいにとびきりの美人でもないし、ましてやモテるワケがない。
私に興味を持ってる人なんて皆無!

私はそういう話題を避けるために宣言する。

思いの外にトラウマが大きくて、次に進むのが怖い。
愛ちゃんは、別れて2年も経つんだからって言うけど、時はなにも解決なんてしてくれない。

一生このままなんじゃないかって思うと、時々虚しく思う時もあるけど、それでもやっぱり怖いものは怖いんだ。

だから私はこれでいいんだって自分に言い聞かせる。



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