お見合いさせられました!
私はラウンジに連れて行かれた。
ここはいわゆる、ファーストクラスとかビジネスクラスの人たちや、ゴールドカードを持ってる人たちが利用する場所。

ラウンジなんて入ったことない。
高級なバーって感じ。
ちょっと大人な雰囲気。

目の前に美味しそうなジュースが置かれてるけど、それを飲んでる場合じゃない。
どんな味か気になるけど。

私は居住まいを正して、五十嵐さんと向き合う。


「五十嵐さん、昨日の話ですけど」

とにかく断る。
そしてソッコーで帰る。
昨日から何度も頭の中でシミュレーションして、考えに考えた結果、たどり着いた手段。

すっと息を吸って、さぁ、お断りの言葉を言うぞって時に、五十嵐さんは遮った。


「断るのは却下。答えはイエスしか受け付けない」

なんで!?
いやいや、ここで負けるワケにはいかない。
私の人生をかけて!


「昨日お会いしたばっかりじゃないですか?それなのに本気って言われても信じられません。詐欺師なんじゃないかって思っちゃいますよ」


「俺を詐欺師呼ばわりするな。確かに会ったのは昨日が初めてだが、俺はもっと前から奏美を知ってた」

はい?
どういうこと?



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