お見合いさせられました!
「俺は難攻不落なほど燃えるタイプだ。それを聞いて必ず奏美を落とすと決めた。俺の片想い歴をなめるなよ。これで詐欺師じゃないってわかっただろ」

五十嵐さんの言葉が直球過ぎて、どうやって返したらいいのかわからなくなる。
こんな告白をされたら女の子はみんな嬉しくなるに違いない。
でも私には一歩踏み出せない理由がある。

今まで愛ちゃんにしか話したことなかったけど、結婚願望ゼロの理由を正直に話したほうがいいよね。
私はギュッと両手に力を込めた。


「あの、私が結婚願望ゼロになった理由なんですけど…」

私はポツリポツリと話し始めた。

一通り話したら少し気持ちが落ち着いた気がする。


「ですから、そういう理由なんで…」

お断りしますって言葉は、またしても遮られた。


「俺はその男に感謝する。そんなヤツと奏美がどうにかならなくて良かったと思うし、そいつと別れたから、今の奏美がいるんだろ」

それはそうかも。


「奏美、俺は狙った獲物は逃がさないからな。必ず手に入れる」

五十嵐さんはニヤリと笑った。
狙った獲物って私のこと!?


「だから、そんな直球をポンポン投げないでください!」

さっきから顔が熱い。


「じゃあ、ゆっくり攻めてやる」

ゆっくりって!?
私の心臓の鼓動がスピードを上げていく。





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