ライアーピース
3月はとにかく、陸と一緒にいた。
毎日どこかに行ったり
お互いの部屋に遊びに行ったり。
そうして足早に春休みは過ぎ、
気付けば高校生になっていた。
可愛い制服を着れば私も
女の子らしくなるかと思ったけど、失敗。
制服が可愛すぎて私には似合わない。
男子は学ラン。
私もそっちを着たかったよ・・・。
クラス表示の掲示板を見ると、
私はA組に組み分けされていた。
「えっと・・・陸・・・佐々木陸・・・」
「おっ、こりゃ結構離れたな」
「陸・・・」
陸はF組。A~C、D~Fに
校舎が分かれているから凄く遠く感じる。
せっかく同じ高校になったのに・・・。
「じゃ、あとでな。若葉」
「うん」
陸と分かれて、私は廊下を歩く。
新入生と部活動の勧誘をする
先輩が入り混じって混雑していた。
私って、こういう
人混みが苦手なんだよね。
私もいくつか部活動に勧誘されながら、
A組の教室にたどり着いた。
教室に入るとそこには既に
いくつかのグループが存在していた。
入学したばかりなのに仲良くなるの早すぎない!?
ていうか、
私が完全に出遅れたのか・・・。
席は中学と同じ、窓際の一番後ろ。
とりあえず席について窓の外を眺めると、
私の机をコンコンと誰かがノックした。