ライアーピース
ねえ、陸。
私ね、あなたがずっと、
私のそばにいてくれるんだと思ってたんだ。
一緒に木登りをして、
戦闘ごっこをして、
毎日泥だらけになりながら家に帰ったこと。
私に何かあるとその小さな体で守ってくれたこと。
音痴のくせに大声できらきら星を歌っていたこと、
転んで泣き叫んでいたこと、
幼いながらにも、沢山思い出があった。
ずっと一緒に、
ずっと隣にいてくれるものだと思っていた。
それが“当たり前”だと思っていたんだよ。
あなたが姿を消して、
私がどれだけ泣いたか知っていますか?
陸を忘れようと、
必死になったことを知っていますか?
あの日の約束を、
あなたは思い出してくれますか?
『ゆーびきーりげーんまーん♪』
小指と小指を合わせる、
二人だけの約束の証。
私は今でも、そう思ってるよ。
時間はかかっちゃったけど、
ちゃんとあなたを好きになりました。
恋をしたこともないこの私が、
初めての恋を知りました。
もう遅いよね。遅すぎたね。
どうしてもっと早く
気づかなかったんだろう。
陸と一緒にいる唯を羨ましいと思った。
唯が陸と一緒に住むことを聞いた私は、
まるで胸の中を切り付けられたかのような痛みを覚えた。
もっとちゃんと女の子になりたかった。
女の子として、陸の隣を歩きたかった。
ねえ、陸。
陸はもう、私を
そういう目では見てくれませんか?