フェイク アフェア ~UMAの姫と御曹司~
2人で店内に戻り、井原さんはカウンターへ、私はみんなの待つテーブルにと別れた。
「絵瑠ちゃん、すごいイケメンと知り合いなのね」
「どんな関係なの?見たところ恋人って感じじゃなさそうだけど」
先輩2人の追及に苦笑しながら、何となく入院患者の阿部真人さんの友人だと言わない方がいいような気がした。
「もちろん恋人じゃないですよ。ただの知り合いです。ちょっと接点があって」
と言葉を濁しておいた。
いくら何でも結婚したい相手人気ナンバーワンの如月先生と一緒にいるのだから先輩2人が井原さんのことをそれ以上突っ込んでこないだろうと思ったのだ。
でも、突っ込んできたのは先輩たちではなく如月先生だった。
「今のってIHARAホテルグループの専務じゃない?桐山さんってすごい人と知り合いなんだね」
私はハッとして如月先生を見た。
そうか、あちらが知っているんだから如月先生だって井原さんのことを知っていてもおかしくない。
ってことはこの人はやっぱりケイの存在に気が付いているのかもしれない。
私の身体が更に冷えていく気がした。
ケイの方を振り返って助けを求めたい衝動にかられるけど、それは絶対にしてはいけない。
「えー!IHARAホテルグループの専務って。超セレブじゃない!」
「そうよ、この間雑誌で見たわ。次世代の若き経営者だったかな、御曹司を集めた特集記事」
先輩2人が食いつくように話し始めるから慌てて井原さんから話題の矛先をずらすことにした。
「如月先生も超セレブだってもっぱらの噂ですけどそれって本当ですか?」私は如月先生に話を振った。
如月先生はかすかに笑ったように見えた。
「いや、うちの実家はIHARAホテルグループと比較するほどの大きな企業じゃないよ。如月コーポレーションだからね」
「ええっ!」
「如月コーポレーションってかなりの大企業ですよね・・・」
先輩2人は絶句していた。
私も「本当に大企業の息子さんだったんですか。すごいですね」と少し抑揚が足りないかもかもしれないと思いながら声を出した。
「絵瑠ちゃん、すごいイケメンと知り合いなのね」
「どんな関係なの?見たところ恋人って感じじゃなさそうだけど」
先輩2人の追及に苦笑しながら、何となく入院患者の阿部真人さんの友人だと言わない方がいいような気がした。
「もちろん恋人じゃないですよ。ただの知り合いです。ちょっと接点があって」
と言葉を濁しておいた。
いくら何でも結婚したい相手人気ナンバーワンの如月先生と一緒にいるのだから先輩2人が井原さんのことをそれ以上突っ込んでこないだろうと思ったのだ。
でも、突っ込んできたのは先輩たちではなく如月先生だった。
「今のってIHARAホテルグループの専務じゃない?桐山さんってすごい人と知り合いなんだね」
私はハッとして如月先生を見た。
そうか、あちらが知っているんだから如月先生だって井原さんのことを知っていてもおかしくない。
ってことはこの人はやっぱりケイの存在に気が付いているのかもしれない。
私の身体が更に冷えていく気がした。
ケイの方を振り返って助けを求めたい衝動にかられるけど、それは絶対にしてはいけない。
「えー!IHARAホテルグループの専務って。超セレブじゃない!」
「そうよ、この間雑誌で見たわ。次世代の若き経営者だったかな、御曹司を集めた特集記事」
先輩2人が食いつくように話し始めるから慌てて井原さんから話題の矛先をずらすことにした。
「如月先生も超セレブだってもっぱらの噂ですけどそれって本当ですか?」私は如月先生に話を振った。
如月先生はかすかに笑ったように見えた。
「いや、うちの実家はIHARAホテルグループと比較するほどの大きな企業じゃないよ。如月コーポレーションだからね」
「ええっ!」
「如月コーポレーションってかなりの大企業ですよね・・・」
先輩2人は絶句していた。
私も「本当に大企業の息子さんだったんですか。すごいですね」と少し抑揚が足りないかもかもしれないと思いながら声を出した。