フェイク アフェア ~UMAの姫と御曹司~
2御曹司の騎士はUMAの姫と偽装婚約する

2-1

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これは一体どういうことだろう。
私は知らないマンションの広いリビングで呆然と立ち尽くしていた。

「ノエルさんの部屋はこっちだよ」

私の手をひいて行くのは井原修一郎さん。

「ごめんね、何も持ってきちゃダメだなんて言って。念のためだよ。もう少ししたら必要な着替えやなんかが届くからガマンして」

そこはゲストルームのようだった。
あまり使われていないのか真新しい部屋の匂いがする。
ベッドと白木のデスクとチェア。

私の様子を見て「気に入らなかった?じゃ今日はノエルさんの気に入る家具やリネンも買いに行こうか」と言い出す井原さんに慌てる。

「井原さん、私まだちゃんと説明してもらってません!」
真剣に訴えると井原さんは困った顔をした。

「ノエルさん、俺の事は名前で呼んで。じゃないと、婚約者っぽくないでしょ。あ、俺もキミにさん付けじゃ変だよね」
そう言うと私の左手を持ち上げて
「ノエル、今日はここにはめる指輪も買いに行こうね」
と言った。

「いはらさんっ!何を言ってるんですか!だから、キチンと説明して下さいってばっ」

もうっ。
井原さんに持ちあげられた左手をバッと振り払って腰に手を当てて仁王立ちした。

そんな私を見て井原さんは吹き出した。

「ごめん、ごめん。ノエルさんの反応が新鮮で。ま、これから一緒に暮らすんだから仲良くしようよ」

はぁ。

やっぱり一緒に生活するんですか。あれは冗談じゃなかったんですね。

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