フェイク アフェア ~UMAの姫と御曹司~
「これからはノエルって呼ぶから。俺のことも名前でよろしく。いい?婚約者だからね。
もうこそこそと暮らす必要はない。ご両親や友達にも堂々と会えるから。ただ、必ず俺が一緒にいる。ダメなときは俺の秘書や、うちの姉や圭介君とか信用のおける人が一緒にいる。わかった?」

私は深く頷いた。

「よろしくお願いします。修一郎さん」

「よし!よくできました」
そう言っていきなり私の額にキスをした。

ひゃあ

またもや変な声を出した私に修一郎さんは吹き出した。

「ノエルって度胸がいいのか悪いのか。男に免疫ないのか、よくわからないな。ナースなんだから男の裸とか平気だろ?」

私はまたもや真っ赤になっていた。
「ないです。免疫。だから手加減してください!男性の裸も仕事上は平気ですけど、それと私の私生活は関係ありませんから!」

修一郎さんはくすくすと笑っていた。
「そうか、ノエルはやっぱりかわいいな」
今度は頬にキスをされる。

「もう!やめてくださいよ」

私は修一郎さんの膝から逃げ出そうともがいてみるけど、修一郎さんの力に敵うはずもなくしっかりと抱きしめられて、また頬にキスされた。
何だか扱いが新しく手に入れたペットのようだ。

そして、どうやら抵抗すると余計に自分の首を絞めることになるらしい。
私は抵抗をやめて身体の力を抜いて修一郎さんの胸にもたれた。

「修一郎さん、この涙でぐしょぐしょの顔を何とかしたいです」
と言うと、すんなりと私を膝から下ろして解放くれた。

「そうか、ごめん。洗面所はあっちにあるから顔を洗っておいで。その間にコーヒーを入れておくよ」

私の頭を軽く撫でてキッチンに向かって行った。

はぁ。
こうやってひとつひとつ修一郎さんの攻略法を探っていかなきゃ。
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