フェイク　アフェア　～UMAの姫と御曹司～
IHARAの社長と専務の修一郎さんとANDOの社長である私の父と副社長の圭介が舞台に立っていた。

業務提携が発表され大きな拍手が起こる。

４人ががっちりと握手している。新聞やテレビなどどこかで見たようなポーズの場面だ。
ただ、１つ違うのは修一郎さんが格好良すぎることだろうか。

社長２人が一歩下がり、修一郎さんと圭介が握手している。
先ほどよりたくさんシャッターを切る音とフラッシュが眩しい。
さすがにイケメンは絵になるなと思う。

会場をよく見るとあちこちで女子社員がスマホで写真を撮っている。
やっぱり修一郎さんはモテモテだ。

今からの婚約発表が本当に申し訳ない。

「さて、ここで我が社の井原社長からもう一つ重大な発表があります」
司会者が声に会場内がざわめいた。

専務の婚約発表はトップシークレットだったから。

さぁ、いよいよだ。

社長がマイクを握る。

「本日は皆さんに報告があります。我が社の専務で私の息子、修一郎がANDOの社長令嬢の安堂ノエルさんと婚約いたしました。今後、修一郎は専務から副社長に役職が変わりノエルさんという伴侶を得てますます会社のために尽くす事でしょう。
では、婚約者の安堂ノエルさんをご紹介します。ノエルさん、こちらへ」

会社からはどよめきと女子社員の悲鳴が聞こえる。

私も少し驚いていた。
修一郎さんが専務から副社長になるのは聞いていない。
そうなんだ、そんな話もあったんだ。
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