フェイク アフェア ~UMAの姫と御曹司~
専務室に入ると執務室の手前に佐々木さんのデスクの隣に私のデスクが準備されていた。
自分のデスクなんて初めてでわくわくとする。
早速座ろうとしたら、修一郎さんに止められた。
「ノエルはこっち」
専務の執務室の中に一緒に入り、応接用のソファーに座るように言われた。
「修一郎さん、私がここにいるとお仕事の邪魔ですよね」
念のために聞いてみるけど、
「いや、ノエルはここで仕事してもらうから」
と言い出した。
いえいえ、ここはどう考えても邪魔ですよ。明らかに。
私がここにいてソファーを占領したら、ここに来客がある時はどうするんですか。
「…とりあえず、ここにいて」
いつも通り私の考えを読んだ修一郎さんがここは折れてくれたようだ。修一郎さんに見つからないようにクスッと笑った。
「それで、私にできる仕事って何でしょうか?」
「ノエルには癒しと…」
癒し?
少し目を細めて修一郎さんを見ると「冗談だよ」と笑っているけど、なぜか手を握られている。
もしかして、冗談ではないのかも。
「で、お仕事は?」
わざとらしくにっこりと微笑んでもう一度尋ねると
「メールの振り分けとここのたまった書類の整理、他にも文書作成をお願いすることがあるかも。書類に関しては佐々木さんに聞いてくれればいいよ」
「はい。じゃ早速」
立ち上がったけれど、修一郎さんと繋いだ手はなぜかまだ離されず私はよろけた。
きゃっ
「おっと、危ない」
よろけた拍子に座っていた修一郎さんの膝に座ってしまった。
そこにタイミング悪く佐々木さんと秘書室の女性スタッフ2人が私たちのコーヒーを持って入って来てしまった。
「おや」
佐々木さんはクスッと笑い、若い女性スタッフは無言で目を見開いて驚き、そして顔を赤らめた。もう1人の女性スタッフはキツい目をして私を見据えていた。
「ち、違います!誤解ですよ、誤解!」
慌てて修一郎さんの膝から下りて立ち上がり
「よろけて、たまたま修一郎さんの膝に座っちゃっただけですから」
と弁解するものの多分信じてもらえないだろう…。
修一郎さんも笑っていて否定してくれないし。
初日から大失態。
はぁー。
自分のデスクなんて初めてでわくわくとする。
早速座ろうとしたら、修一郎さんに止められた。
「ノエルはこっち」
専務の執務室の中に一緒に入り、応接用のソファーに座るように言われた。
「修一郎さん、私がここにいるとお仕事の邪魔ですよね」
念のために聞いてみるけど、
「いや、ノエルはここで仕事してもらうから」
と言い出した。
いえいえ、ここはどう考えても邪魔ですよ。明らかに。
私がここにいてソファーを占領したら、ここに来客がある時はどうするんですか。
「…とりあえず、ここにいて」
いつも通り私の考えを読んだ修一郎さんがここは折れてくれたようだ。修一郎さんに見つからないようにクスッと笑った。
「それで、私にできる仕事って何でしょうか?」
「ノエルには癒しと…」
癒し?
少し目を細めて修一郎さんを見ると「冗談だよ」と笑っているけど、なぜか手を握られている。
もしかして、冗談ではないのかも。
「で、お仕事は?」
わざとらしくにっこりと微笑んでもう一度尋ねると
「メールの振り分けとここのたまった書類の整理、他にも文書作成をお願いすることがあるかも。書類に関しては佐々木さんに聞いてくれればいいよ」
「はい。じゃ早速」
立ち上がったけれど、修一郎さんと繋いだ手はなぜかまだ離されず私はよろけた。
きゃっ
「おっと、危ない」
よろけた拍子に座っていた修一郎さんの膝に座ってしまった。
そこにタイミング悪く佐々木さんと秘書室の女性スタッフ2人が私たちのコーヒーを持って入って来てしまった。
「おや」
佐々木さんはクスッと笑い、若い女性スタッフは無言で目を見開いて驚き、そして顔を赤らめた。もう1人の女性スタッフはキツい目をして私を見据えていた。
「ち、違います!誤解ですよ、誤解!」
慌てて修一郎さんの膝から下りて立ち上がり
「よろけて、たまたま修一郎さんの膝に座っちゃっただけですから」
と弁解するものの多分信じてもらえないだろう…。
修一郎さんも笑っていて否定してくれないし。
初日から大失態。
はぁー。