フェイク アフェア ~UMAの姫と御曹司~
お風呂から上がって髪を拭きながらリビングに行くと、修一郎さんから缶ビールを手渡された。
もちろん、ANDOのプレミアムビールだ。
「飲もう」
「はい、じゃ少しだけおつまみを出しますね」
「ああ、簡単なものにして、早く座って」
2人で軽く缶を合わせて乾杯した。
ビールを飲みながら作り置きしておいたローストビーフにオニオンスライスとケッパーを添えて盛りつける。
クリームチーズとアボガド、トマトにカツオ節とネギをのせて醤油をたらした。
もう1品、修一郎さんの好きな卵焼きを作って出すと
「もういいから」
と私の腕を引っ張ってソファーに座らせた。
今夜はダイニングじゃなくてリビングで過ごすつもりらしい。
「明日からのことだけど」
そう切り出した修一郎さんに私は頷いた。
「個人秘書をやめるかい?」
「え、・・・ああ、私クビなんですね」
やっぱりそうか。
そうだよね、修一郎さんの言いつけを破って専務室から出歩いて今日1日だけでも沢山問題を起こして、ひどく迷惑をかけた。
「わかってます。迷惑かけちゃったし、反省して明日からはここでおとなしくしてますから大丈夫です。
あ、でも、ここのパソコンでドイツ語の翻訳のお手伝いくらいはさせてもらえませんか?」
ずっと家にいたら余分なことを考えてまた不安になる。せめて何かしていたい。
修一郎さんは手にしていた缶ビールをテーブルに置いた。
「何か、お互いに勘違いしてるかも」
修一郎さんはいつものように私の頭を撫でた。
「俺は今日いろいろあったことでノエルがもう会社に行くのが怖くなってしまったんじゃないかと思ったんだけど、違うみたいだね」
「え?クビじゃなくて?」
「もちろん。ノエルはもう立派なうちの戦力だからね。でも、怖くないの?今日は他にも監禁されたり、水をかけられたりもしたそうじゃないか」
ええ、はい。そんなこともされましたね。
実はあれ、気配や香りで相手が女性だってわかっていた。だからあまり怖くなかったのだ。
相手は私のストーカーではない。
もちろん、ANDOのプレミアムビールだ。
「飲もう」
「はい、じゃ少しだけおつまみを出しますね」
「ああ、簡単なものにして、早く座って」
2人で軽く缶を合わせて乾杯した。
ビールを飲みながら作り置きしておいたローストビーフにオニオンスライスとケッパーを添えて盛りつける。
クリームチーズとアボガド、トマトにカツオ節とネギをのせて醤油をたらした。
もう1品、修一郎さんの好きな卵焼きを作って出すと
「もういいから」
と私の腕を引っ張ってソファーに座らせた。
今夜はダイニングじゃなくてリビングで過ごすつもりらしい。
「明日からのことだけど」
そう切り出した修一郎さんに私は頷いた。
「個人秘書をやめるかい?」
「え、・・・ああ、私クビなんですね」
やっぱりそうか。
そうだよね、修一郎さんの言いつけを破って専務室から出歩いて今日1日だけでも沢山問題を起こして、ひどく迷惑をかけた。
「わかってます。迷惑かけちゃったし、反省して明日からはここでおとなしくしてますから大丈夫です。
あ、でも、ここのパソコンでドイツ語の翻訳のお手伝いくらいはさせてもらえませんか?」
ずっと家にいたら余分なことを考えてまた不安になる。せめて何かしていたい。
修一郎さんは手にしていた缶ビールをテーブルに置いた。
「何か、お互いに勘違いしてるかも」
修一郎さんはいつものように私の頭を撫でた。
「俺は今日いろいろあったことでノエルがもう会社に行くのが怖くなってしまったんじゃないかと思ったんだけど、違うみたいだね」
「え?クビじゃなくて?」
「もちろん。ノエルはもう立派なうちの戦力だからね。でも、怖くないの?今日は他にも監禁されたり、水をかけられたりもしたそうじゃないか」
ええ、はい。そんなこともされましたね。
実はあれ、気配や香りで相手が女性だってわかっていた。だからあまり怖くなかったのだ。
相手は私のストーカーではない。