フェイク　アフェア　～UMAの姫と御曹司～
それに、あの秘書さんからから敵意を毎日感じていたし。そのうち何かされるだろうなとは思ってた。
ただ、何をされるかはわからなかったけど。

「修一郎さんのことが好きな女性からの嫌がらせはあると思ってましたから」

「嫌がらせされるのがわかってた？」

「ええ、女社会にいるとなんとなくそういうのってわかります。でも、さすがにあの人が私を階段から突き落とそうとするなんて、そこまで強硬な手を使うとは思ってませんでした。
・・・相手が女性だからって油断していた私が悪いんです」

「本当に寿命が縮んだよ・・・」

修一郎さんは私の身体をぐっと引き寄せて抱きしめた。

はあっと大きく息をついて「どんなに俺が驚いたかわかる？」と怖い顔をした。

「専務室から勝手に出歩いてごめんなさい・・・」
とにかく私は謝るしかない。

「でも、あの女がノエルを攻撃したのは俺のせいなんだよな。あの女は自分の方がノエルより婚約者にふさわしいとかなんとかふざけたことを言ってるのが聞こえたよ。とんだバカ女だ」
吐き捨てるように言った修一郎さんが少し怖い。

「ノエル、俺は確かにキミに婚約者になってもらって俺の女除けになってもらうつもりだと言った。
でも、こんなことまでお願いするつもりなんてなかった。まさか、こんな危険な目に遭わせてしまうなんて。
本当にすまない」

私の首元にガクッと頭を付けて少し弱気なことを言った修一郎さんに驚く。


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