家庭教師はヒミツの彼氏
「ただいまぁーー」
「おかえり。職場でもらったドーナツ、食べる?」
「食べるー!」
私は、ドーナツを食べながらテレビを見ていた。
そのとき。
「ただいま」
パパが帰ってきた。
「あら?今日は随分早いのね…あれ?もしかして、この前言ってた会社の方の息子さん?」
パパは、誰かを連れてきたみたい。
振り向いてパパを見ると、後ろに超イケメンが立っていた。
「愛莉、お前来年受験生だろ?高2のうちにお前の勉強嫌いを治さないとと思ってな、家庭教師を連れてきたんだ。」
「ええ〜〜〜〜!?」
嘘でしょ?家庭教師とかつけられるなんて、考えてもみなかった。
「ほーら、先に言うと、絶対嫌がると思ってな。涼太くん、こんなやつだけど、よろしくな」
涼太って呼ばれた超イケメンなその人は、
「あはは、大丈夫ですよ」
と言って、私にペコリとお辞儀をした。
慌てて、私もお辞儀をする。
いやいや…カテキョとかありえないけど…それよりもなによりも、イケメンっ…!!
「今日も少し見てもらえ。涼太くん、愛莉の部屋は2階だから、さぁ上がって上がって。愛莉!いつまでもドーナツ食ってないで2階行け!」
パパに流されるまま、私は「涼太くん」を2階に案内した。