家庭教師はヒミツの彼氏

急にそんなこと言われて困ったけど、ちょっと緊張が溶けてきた。





「まずは西暦の空白を、教科書みながら全部埋めていけ」





「はーい」





言われるがまま、私は教科書とにらめっこ。





「ちがうちがう、西暦がまとまって書いてあるところが1番後ろにあるだろ」






「あ、ほんとだ」




大学生なのに、高校生の教科書のことよく知ってるなあ。



「先生って、教科書に詳しいね」





「家庭教師やってれば覚えるだろ」





「え、先生って、他の人にも教えてるの?」




「今はお前だけだ。…前に教えてたやつならたくさんいるけどな」





今は私だけと聞いて、なんだか少し嬉しくなった。





それから2時間ほどで日本史を終わらせた私は、上機嫌。



「日本史が夏休み入った瞬間終わるなんて!こんなこと初めて!」




「俺のおかげだな」





「ありがとう先生!!」





2時間の間で、私と先生は結構打ち解けたと思う。





私、この人に教えられるなら、勉強もっと頑張っちゃう!!




帰る先生を家族で見送り、私はやっとご飯を食べることができた。





< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop