オトナの恋は礼儀知らず
「おはよ」
目が覚めると微笑んでいる桜川さんにキスをされた。
あのまま寝てしまったらしかった。
「……もう一度………しますか?」
今一度されたキスは重ねた唇の角度を変えて、挨拶のキスとは違う別のものに………。
「ちょ、ちょっと待ってください。」
急いで押しのけた体から笑い声が聞こえる。
「冗談ですよ。
でもそんなに嫌がられると落ち込みます。」
「だって……。」
冗談に思えない。
気を抜けば桜川さんから漏れ出す色気にあてられそうになる。
本人は自覚がないのか爽やかに告げた。
「せっかくです。今日は出掛けましょう?」
どうやら世捨て人にはならずに済んだみたいだ。
着替えに戻る桜川さんに頑なについて行かずに駅で待ち合わせた。
「すみません。待ちましたか?」
待ち合わせた時間の少し前にきた桜川さんが駆け寄って来た。
その姿に目を見張る。
紺のポロシャツに深いチョコレート色の細身のズボンをスッと着こなしていた。
桜川さんのイメージに合っているのに、なんだかずるく感じる。
スーツばかりでラフな格好は初めてで……ジャージ姿は見たけど……。
そういえば前にお風呂から出たばかりと言った濡れた髪の時は何故かスーツだったっけ。
「何か……変ですか?」
「何もないです。行きましょう。」
かっこいいなんて似合ってますなんて言えるわけが無かった。
歩きながらたわいもない話をする。
穏やかで温かでゆったりとした時間。
大きな手で包まれた手は幸せを逃さないように絡め合う。
「起きて目を開けた時に友恵さんがいるのは幸せですね。」
私だって……。
その言葉を素直に言える日は来るのかなと苦笑した。
「今日はどこに行くんですか?
どこか行きたい場所があるんですか?」
「それはついてからのお楽しみです。」
意味深に笑う桜川さんに、行き先がホテルとかあり得るから怖いのよと言ってやりたくなった。
目が覚めると微笑んでいる桜川さんにキスをされた。
あのまま寝てしまったらしかった。
「……もう一度………しますか?」
今一度されたキスは重ねた唇の角度を変えて、挨拶のキスとは違う別のものに………。
「ちょ、ちょっと待ってください。」
急いで押しのけた体から笑い声が聞こえる。
「冗談ですよ。
でもそんなに嫌がられると落ち込みます。」
「だって……。」
冗談に思えない。
気を抜けば桜川さんから漏れ出す色気にあてられそうになる。
本人は自覚がないのか爽やかに告げた。
「せっかくです。今日は出掛けましょう?」
どうやら世捨て人にはならずに済んだみたいだ。
着替えに戻る桜川さんに頑なについて行かずに駅で待ち合わせた。
「すみません。待ちましたか?」
待ち合わせた時間の少し前にきた桜川さんが駆け寄って来た。
その姿に目を見張る。
紺のポロシャツに深いチョコレート色の細身のズボンをスッと着こなしていた。
桜川さんのイメージに合っているのに、なんだかずるく感じる。
スーツばかりでラフな格好は初めてで……ジャージ姿は見たけど……。
そういえば前にお風呂から出たばかりと言った濡れた髪の時は何故かスーツだったっけ。
「何か……変ですか?」
「何もないです。行きましょう。」
かっこいいなんて似合ってますなんて言えるわけが無かった。
歩きながらたわいもない話をする。
穏やかで温かでゆったりとした時間。
大きな手で包まれた手は幸せを逃さないように絡め合う。
「起きて目を開けた時に友恵さんがいるのは幸せですね。」
私だって……。
その言葉を素直に言える日は来るのかなと苦笑した。
「今日はどこに行くんですか?
どこか行きたい場所があるんですか?」
「それはついてからのお楽しみです。」
意味深に笑う桜川さんに、行き先がホテルとかあり得るから怖いのよと言ってやりたくなった。