私にとって初めての恋。
悠琉と龍月達三年生は、本格的に自由登校になった。

「で、美陽!」
「はいっ!」
「休みの次の日から何か変だよ?何かあった?」

休み時間、美陽と束李は食堂でご飯を食べていた。

「束李、どうしよう!」
「何が」
「どうしたらいいの!」
「だから、何が?」
「私…先輩が好きかもしれない…!」

美陽は恥ずかしく両手で顔を隠す。

「…………は?」

束李は度肝を抜かれたような声を出す。
頭の理解が追い付き、冷静になる。

「どゆこと?」
「…今までは何か、その場の流れというか何というか先輩に対して失礼な感じで」
「うん」
「でも、一緒に過ごして、遊んだりもして」
「うん」
「この間、久々にデ、デートもしてね?」
「うんうん」
「それで、私…先輩の事。す…」
「す?」
「す、好きだなあってっ!!」

冷めてきていた熱がまた再熱する。
束李はそんな状態の美陽を見て。

「…よかった」

安心したように言葉を漏らす。

「え?」
「だって美陽。ずっと何ににも興味なくて本を読んでるか、写真を撮るかでしょ?ずっと不安だったの。もし、このまま一人だったらどうしようって」
「束李…」
「でも、今好きな人ができた。それが私はすごく嬉しい」

だからよかったね、と。
その思いに美陽は。

「ありがとう、束李!」

嬉しく思い、思わず勢いで束李に抱き着いた。

「束李がこの学校に誘ってくれて、見学させてくれて。そして…親友でよかった!」
「私も、誘ったのが美陽で、親友でよかったって思うよ!…頑張れ」

小さく呟いた応援の言葉は美陽に届いたようで。
美陽は満面の笑みで頷いた。
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