私にとって初めての恋。
美陽がメールを送った数秒後。
悠琉からまた電話が来た。

「は、はいっ!」

美陽は慌てて電話に出る。

『2回もすまん、美陽。』
「いえ、こちらこそすみません母が…」
『ん、大丈夫だけど。明日か…』

美陽は悠琉の言葉を聞いて俯いた。

「ごめんなさい、いつも勝手で…」
『明日は大丈夫だけど、美陽と会えなくなるのは俺もきついな…』

美陽は顔を赤らめる。
美陽が黙っていると悠琉が美陽?と声をかけてきた。
美陽はハッと我に返る。

「ご、ごめんなさい!」
『はは、さっきから謝ってばっかだな。明日の何時ごろそっちに行けばいい?』
「あ、母が…」

美陽は時間と待ち合わせ場所を悠琉に伝えて電話を切った。
美陽は携帯を抱えて下に降りる。

「お母さん、明日大丈夫だって…」

美陽はソファーで寛ぐ母親に言う。

「そう、分かったわ」
「悠琉さんに酷いことしたら許さないから!」

美陽はそう言ってリビングを出て行った。

「許さない、か…。あの子からあんなセリフが出てくるなんてね」

美陽の母親の独り言は天井に消えた。
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