私にとって初めての恋。

初めての亀裂

『美陽の好きにしたらいいじゃない』
「…お母さん」
『美陽の将来は美陽の物。私が決めることではないわ。何も決めていないならアドバイスも何も出来ないわよ』

美陽は神楽とパソコンでテレビ電話をしていた。

『大学に行きたいなら行けばいいし、やりたい仕事があるなら目指せばいい。貴方にはまだ時間があるわ。ゆっくりと考えなさい、じゃあ…おやすみ』
「うん、おやすみ。お母さん」

そう言って通話を切った。

「ゆっくり…やりたいこと…」

美陽は昔から人の役に立つことがやりたいと思っていた。

しかし、人の役に立つ仕事は数えられないほどある。

美陽には具体的なものがなかった。

「どの面で、役に立ちたいか…」

教育者、会社員、カウンセラー…。

選択肢はいっぱいあった。

「私は何にやりたいんだろう」

資格を取りたいわけでもなく、何かをずっと目指しているわけでもない。

美陽は考えているうちに眠りについていた。
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