私にとって初めての恋。
美陽は傘を閉じて本屋に入る。
漫画や小説、参考書や雑誌、色んなところを見て回る。
だが、それがいけなかったのだろうか。

「え、悠琉…さん?」

悠琉の姿を見つけて少し遠くから追いかけると、悠琉の隣には同じ制服を来た女子生徒がいた。
楽しそうに2人は話している。

「あ…そういうこと…」

美陽は何も買わずに本屋を出た。
傘も指すことなく、そのまま家まで濡れて帰った。

「……。」

少しの間、家の玄関でぼーっとしていた。
自分の勘違いかもしれないと言い聞かせる。
しかし、頭の中はパニックになっていた。

「お風呂…ご飯…」

やっと家の中に上がり、先にお風呂に入った。
単なる見間違いかもしれない。
でも、悠琉本人に確かめるのも怖かった。
美陽は何度も同じ文をメールに打っては消した。

「…本当に?」

気がつけば、目から涙が溢れていた。
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