私にとって初めての恋。
その日から美陽はいつものように笑う。
しかし、束李だけは何故かムスッとしていた。

「昔の美陽に戻った」

束李にはそれが気に食わないようで。

「束李、どうかしたの?」

いつものように美陽が聞いてもムスッとしたまま。
束李はため息をついた。

「どうしたの?ため息ばかりついて」
「…美陽が昔に戻ったから」

感情がありそうに見えて本当はない美陽に。

「そんなことないよ?ちゃんと笑えてるもん」

昔は笑えなかったと美陽は笑って言った。
だけど束李は納得していないようで。

「作り笑いっていうの分かるから、私にとっては笑ってないも一緒」
「そうかなぁ?」

と美陽だけが普通の状態に戻ったと思っていた。
束李は休日に龍月を近くのカフェに呼び出した。
こっちもこっちで久々のデートだった。

「なんか最近、悠琉が変なんだけど…束李知らない?」
「…知ってるちゃ、知ってます」

デートの雰囲気は少し暗い空気になった。
束李は今までのことを龍月に話す。

「なるほどな、それでか…」
「2人が振られた状態になってます」
「あー、すれ違いだなぁ」

龍月に話したことによって束李の気持ちは少し軽くなった。
デートの後半。
考えることをやめて、2人は久々のデートを楽しむことにした。
時間が解決してくれるであろうと考えて…。
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