私にとって初めての恋。
美陽と束李はいつものように2人でいた。
美陽と束李がご飯を食べていると、教室に尋ね人が来た。
「上田いるかー?」
どうやら束李の部活の先輩、葵井龍月のようだ。
束李は呼ばれて教室を出る。
美陽は食べ終わったお弁当を片づけて、読んでる途中の本を鞄から出した。
美陽が本を読み始めると、龍月と話していた束李が美陽を呼びに来た。
「美陽、葵井先輩が呼んでる…」
束李は美陽の手を引いて廊下に出る。
龍月は美陽を見て一礼した。
美陽もまた一礼する。
「初めまして、次沢美陽です…」
美陽は挨拶して、半身だけ束李の後ろに隠れた。
龍月も美陽に自己紹介する。
「初めまして、陸上部部長の葵井龍月です」
龍月と美陽の挨拶を見て束李は固いとクスクス笑った。
人の邪魔にならないように窓際に3人は寄った。
龍月が美陽と束李のところに来た理由。
それは想定していなかったことだった。
「委員会とか委員の仕事の時以外で、もちろんいいんだけど…次沢さんに陸上部のマネージャーを頼みたいんだ」
龍月は美陽に頭を下げる。
束李は笑いを堪えて、美陽は戸惑っていた。
先輩が後輩に頭を下げるという行為自体、美陽にはあり得ないことだった。
「うちのマネージャー、今3年女子1人で。そいつが怪我しちゃってさ…。上田と仲が良くてたまに見に来てくれてる君に頼みたいんだ。委員をしてるのは上田に聞いてたんだけど…ダメかな?」
美陽は横目で束李を見る。
束李は美陽の視線に気が付いて、龍月の隣に立った。
「私が、美陽のこと教えたの。勝手してごめんだけど…私も美陽にやって欲しくて」
束李までもが頭を下げてきた。
美陽は周りの視線に気づいて慌てて言う。
「頭を上げてください。恥ずかしいです…」
美陽は顔を真っ赤にして頭を下げる2人を止めた。
「束李、別にいいけど…先に行って欲しかったな」
美陽は束李に対し、拗ねたように見せた。
「ごめん、でも…私が言ったところで断られるのは目に見えてたし。先輩だったら後から謝ることもしなくて済むなって思っただけ…」
美陽はあまり納得していないようだったが、その場は許すことにした。
「葵井先輩も…私にできることであれば、力になります。今はそれでいいです。委員会の仕事がないときであれば…」
美陽は龍月に対し笑って見せた。
龍月は嬉しそうに美陽にお礼を言った。
龍月は3年生の校舎に戻って行った。
「びっくりしたよ、束李」
美陽は呆れ気味に言った。
束李はしつこく謝る。
美陽と束李は教室に戻った。
「委員会があっても、部活は遅くまでやっているんでしょう?」
席に座った美陽が束李に聞く。
束李はお茶を飲みながら答えた。
「うん、でも美陽、委員会後いつも図書室にいるでしょう?そういう日はそのままでいいよ。頼んでるのはこっちだから、そこまで無理強いはしないよ」
美陽は安心して息をついた。
それに気づいた束李に笑われる。
2人が和気藹々としていると、休み時間終了の鐘が鳴った。
美陽は心の中で「精一杯頑張ろう」と意気込んだ。
美陽と束李がご飯を食べていると、教室に尋ね人が来た。
「上田いるかー?」
どうやら束李の部活の先輩、葵井龍月のようだ。
束李は呼ばれて教室を出る。
美陽は食べ終わったお弁当を片づけて、読んでる途中の本を鞄から出した。
美陽が本を読み始めると、龍月と話していた束李が美陽を呼びに来た。
「美陽、葵井先輩が呼んでる…」
束李は美陽の手を引いて廊下に出る。
龍月は美陽を見て一礼した。
美陽もまた一礼する。
「初めまして、次沢美陽です…」
美陽は挨拶して、半身だけ束李の後ろに隠れた。
龍月も美陽に自己紹介する。
「初めまして、陸上部部長の葵井龍月です」
龍月と美陽の挨拶を見て束李は固いとクスクス笑った。
人の邪魔にならないように窓際に3人は寄った。
龍月が美陽と束李のところに来た理由。
それは想定していなかったことだった。
「委員会とか委員の仕事の時以外で、もちろんいいんだけど…次沢さんに陸上部のマネージャーを頼みたいんだ」
龍月は美陽に頭を下げる。
束李は笑いを堪えて、美陽は戸惑っていた。
先輩が後輩に頭を下げるという行為自体、美陽にはあり得ないことだった。
「うちのマネージャー、今3年女子1人で。そいつが怪我しちゃってさ…。上田と仲が良くてたまに見に来てくれてる君に頼みたいんだ。委員をしてるのは上田に聞いてたんだけど…ダメかな?」
美陽は横目で束李を見る。
束李は美陽の視線に気が付いて、龍月の隣に立った。
「私が、美陽のこと教えたの。勝手してごめんだけど…私も美陽にやって欲しくて」
束李までもが頭を下げてきた。
美陽は周りの視線に気づいて慌てて言う。
「頭を上げてください。恥ずかしいです…」
美陽は顔を真っ赤にして頭を下げる2人を止めた。
「束李、別にいいけど…先に行って欲しかったな」
美陽は束李に対し、拗ねたように見せた。
「ごめん、でも…私が言ったところで断られるのは目に見えてたし。先輩だったら後から謝ることもしなくて済むなって思っただけ…」
美陽はあまり納得していないようだったが、その場は許すことにした。
「葵井先輩も…私にできることであれば、力になります。今はそれでいいです。委員会の仕事がないときであれば…」
美陽は龍月に対し笑って見せた。
龍月は嬉しそうに美陽にお礼を言った。
龍月は3年生の校舎に戻って行った。
「びっくりしたよ、束李」
美陽は呆れ気味に言った。
束李はしつこく謝る。
美陽と束李は教室に戻った。
「委員会があっても、部活は遅くまでやっているんでしょう?」
席に座った美陽が束李に聞く。
束李はお茶を飲みながら答えた。
「うん、でも美陽、委員会後いつも図書室にいるでしょう?そういう日はそのままでいいよ。頼んでるのはこっちだから、そこまで無理強いはしないよ」
美陽は安心して息をついた。
それに気づいた束李に笑われる。
2人が和気藹々としていると、休み時間終了の鐘が鳴った。
美陽は心の中で「精一杯頑張ろう」と意気込んだ。