私にとって初めての恋。
翌朝、美陽は階段の下から聞こえてくる声で目覚めた。

「誰かいるの?」

部屋着のまま廊下に出る。
恐る恐る階段まで来ると、そこには仕事で海外にいるはずの神楽がいた。

「美陽!どうしたの!?」

神楽は血相を変えて美陽を抱きしめた。

「お、母さん…」

美陽はまだ状況を把握できていなかった。
自分から神楽を引きはがす。

「どうしてお母さんがいるの?」
「美陽がこんなメール送って来たから、急いで帰国したの!」

神楽は美陽に携帯の画面を見せた。
それは美陽が昨日送ったメールの画面だった。

「何かあったの?まさか、悠琉君に何かされた?」

母が自分のためにこんなに焦るとは思ってもみなかった。

「ううん、もう大丈夫。ねえお母さん」
「何?美陽」
「…話したくなったら電話してもいい?」

美陽は遠慮気味に聞いた。

「もちろんよ、毎時間でも歓迎だわ」

満面の笑みで神楽は言った。

「ありがとう。それより仕事はいいの?」
「あ、そうだ。じゃあ戻るね!またね美陽」
「行ってらっしゃい」

美陽は神楽を玄関で見送った。

「よしっ!今日も頑張ろう」

美陽は寂しかった気持ちを忘れて学校に行く準備をした。
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