私にとって初めての恋。
その日の委員会終わり、挨拶だけでもと美陽は陸上部の活動場所に行った。
皆真剣な表情で走る。
その中、やっぱり束李の走る姿はとても楽しそうで綺麗だった。
美陽は束李の走りに夢中になる。
部活が終わるまで見ているつもりだったが、美陽はタイムを計っている龍月に気づかれた。
「次沢さん、今日は委員会だって聞いてたけど…どうかした?」
龍月は美陽に駆け寄り、話しかける。
美陽は龍月に一礼して訳を話した。
「どうもです、葵井先輩。委員会だったんですけど、時間があったので挨拶だけでもと思いまして…」
美陽は照れくさそうに言った。
「そっか、マネージャーにはもう言ってあるから今はいないんだけど…待ってな。全員集合!!」
龍月の声掛けで陸上部全員で美陽を囲む形になった。
束李は美陽の隣に立った。
「怪我をした岩井宮のサポートをしてくれる、1年生だ。皆、迷惑をかけないように」
美陽は一歩前に出て挨拶をした。
「えと…、1年の次沢美陽です。精一杯頑張ろうと思います、よろしくお願いします」
美陽は深く頭を下げた。
すると、拍手が聞こえて美陽は頭を上げた。
陸上部の部員たちは快く美陽を受け入れた。
そしてまた練習に戻る。
束李も美陽を励ましてから練習に戻った。
「マネージャーは明日紹介するとして、今日はもう帰る?」
龍月に聞かれ、美陽は見ていくと言ってベンチに座った。
「「「キャーーーー」」」
たまに聞こえる歓声はサッカー部のギャラリーだ。
美陽は気にせず、陸上部の走りを見ていた。
「あ、あのフォーム…」
美陽は見ていて気になったことをルーズリーフに書いていく。
中学の頃から束李を見ていた美陽は、少しだけ陸上に詳しくなっていた。
番号と癖と思ったことをルーズリーフに綴る。
「何書いてるの?」
休憩で束李は美陽の隣に座る。
美陽は束李にルーズリーフを見せる。
「癖とフォームかな。走る形が崩れるとその分遅くなるからね」
束李は美陽のルーズリーフを見て、驚きを隠せないでいた。
美陽は集中して観察する。
「美陽、やっぱりすごいね。手伝い期間が終わってもいて欲しいけど…そこは美陽が決めることだもんね」
美陽は書いている指を止めた。
「いつもみたいに…たまにならまた見に来るよ。私はやるより見ている方が好きだから」
美陽は楽しそうに笑う。
少し吹く風が美陽の髪の毛をふんわりと揺らした。
束李は立ち上がってボトルを美陽に渡した。
「休憩終わりー!見ててよ、美陽。私も楽しく走って見せるから」
何だか嬉しそうな束李を見て、美陽もつられて笑う。
「私にはいつも楽しそうに見えるよ、束李」
美陽はこっそりと携帯を構えた。
そして、束李の走る姿をカメラで撮る。
綺麗に撮れたかを確認して、携帯を鞄の中にしまった。
陽が少し傾いて部活は終わった。
「着替えてくるからここで待ってて」
束李は美陽にベンチで待っててと言われ、大人しく座って待つ。
ベンチに座っていると、龍月が美陽の隣に座った。
「協力してくれてありがとう、次沢さん」
龍月は改めてお礼を言った。
いいえと美陽は謙遜する。
「私がやりたかっただけです。…中学の頃にスランプだった束李の走りを初めて見たんです。綺麗なのにどこか悲しそうな走りでした。でも、今は前よりも楽しそうに走ってて…。走るのが好きなんだなって伝わってくるほど、私も陸上にハマりました。だから、皆さんの走るお手伝いができることが嬉しかったんです」
美陽は嬉しそうに話す。
龍月もまた、美陽の話を楽しそうに聞いていた。
「あれ?まだ着替えてないの、龍月」
聞こえてきた声に美陽と龍月は反応した。
それは美陽が夢見て憧れているサッカー部の勝谷悠琉だった。
「悠琉、お前今日は早いんだな」
龍月と悠琉は同じ3年生で同じクラス。
美陽はぼーっとしながら、2人の会話を聞いていた。
「ん?あ、たまに陸上部を見に来てる女の子…」
悠琉は美陽を見て黙った。
悠琉に紹介するように龍月はベンチを立つ。
「怪我したマネの代わりに手伝ってくれることになった、次沢さん」
紹介されて美陽は会釈する。
「で、こっちが同じクラスでサッカー部の…」
龍月の言葉を遮って悠琉は自ら自己紹介をした。
「どうも、サッカー部部長勝谷悠琉です」
「あ、えと…次沢です」
美陽は緊張気味に言って、恥ずかしくなり鞄で顔を隠した。
悠琉は龍月の肩に腕を組んで、校舎側を向き静かに話し始めた。
「何で俺が知り合いたかった子が、陸上部にいんのよ。さてはお前、何かしただろう」
龍月は今日のことを悠琉に話した。
少しして束李が戻って来た。
「ごめんね、遅くなって。帰ろ美陽。じゃあ葵井先輩、お先です」
束李はそう言って先に歩き始める。
美陽は龍月と悠琉に向かってお辞儀をしてから、束李を追いかけて行った。
皆真剣な表情で走る。
その中、やっぱり束李の走る姿はとても楽しそうで綺麗だった。
美陽は束李の走りに夢中になる。
部活が終わるまで見ているつもりだったが、美陽はタイムを計っている龍月に気づかれた。
「次沢さん、今日は委員会だって聞いてたけど…どうかした?」
龍月は美陽に駆け寄り、話しかける。
美陽は龍月に一礼して訳を話した。
「どうもです、葵井先輩。委員会だったんですけど、時間があったので挨拶だけでもと思いまして…」
美陽は照れくさそうに言った。
「そっか、マネージャーにはもう言ってあるから今はいないんだけど…待ってな。全員集合!!」
龍月の声掛けで陸上部全員で美陽を囲む形になった。
束李は美陽の隣に立った。
「怪我をした岩井宮のサポートをしてくれる、1年生だ。皆、迷惑をかけないように」
美陽は一歩前に出て挨拶をした。
「えと…、1年の次沢美陽です。精一杯頑張ろうと思います、よろしくお願いします」
美陽は深く頭を下げた。
すると、拍手が聞こえて美陽は頭を上げた。
陸上部の部員たちは快く美陽を受け入れた。
そしてまた練習に戻る。
束李も美陽を励ましてから練習に戻った。
「マネージャーは明日紹介するとして、今日はもう帰る?」
龍月に聞かれ、美陽は見ていくと言ってベンチに座った。
「「「キャーーーー」」」
たまに聞こえる歓声はサッカー部のギャラリーだ。
美陽は気にせず、陸上部の走りを見ていた。
「あ、あのフォーム…」
美陽は見ていて気になったことをルーズリーフに書いていく。
中学の頃から束李を見ていた美陽は、少しだけ陸上に詳しくなっていた。
番号と癖と思ったことをルーズリーフに綴る。
「何書いてるの?」
休憩で束李は美陽の隣に座る。
美陽は束李にルーズリーフを見せる。
「癖とフォームかな。走る形が崩れるとその分遅くなるからね」
束李は美陽のルーズリーフを見て、驚きを隠せないでいた。
美陽は集中して観察する。
「美陽、やっぱりすごいね。手伝い期間が終わってもいて欲しいけど…そこは美陽が決めることだもんね」
美陽は書いている指を止めた。
「いつもみたいに…たまにならまた見に来るよ。私はやるより見ている方が好きだから」
美陽は楽しそうに笑う。
少し吹く風が美陽の髪の毛をふんわりと揺らした。
束李は立ち上がってボトルを美陽に渡した。
「休憩終わりー!見ててよ、美陽。私も楽しく走って見せるから」
何だか嬉しそうな束李を見て、美陽もつられて笑う。
「私にはいつも楽しそうに見えるよ、束李」
美陽はこっそりと携帯を構えた。
そして、束李の走る姿をカメラで撮る。
綺麗に撮れたかを確認して、携帯を鞄の中にしまった。
陽が少し傾いて部活は終わった。
「着替えてくるからここで待ってて」
束李は美陽にベンチで待っててと言われ、大人しく座って待つ。
ベンチに座っていると、龍月が美陽の隣に座った。
「協力してくれてありがとう、次沢さん」
龍月は改めてお礼を言った。
いいえと美陽は謙遜する。
「私がやりたかっただけです。…中学の頃にスランプだった束李の走りを初めて見たんです。綺麗なのにどこか悲しそうな走りでした。でも、今は前よりも楽しそうに走ってて…。走るのが好きなんだなって伝わってくるほど、私も陸上にハマりました。だから、皆さんの走るお手伝いができることが嬉しかったんです」
美陽は嬉しそうに話す。
龍月もまた、美陽の話を楽しそうに聞いていた。
「あれ?まだ着替えてないの、龍月」
聞こえてきた声に美陽と龍月は反応した。
それは美陽が夢見て憧れているサッカー部の勝谷悠琉だった。
「悠琉、お前今日は早いんだな」
龍月と悠琉は同じ3年生で同じクラス。
美陽はぼーっとしながら、2人の会話を聞いていた。
「ん?あ、たまに陸上部を見に来てる女の子…」
悠琉は美陽を見て黙った。
悠琉に紹介するように龍月はベンチを立つ。
「怪我したマネの代わりに手伝ってくれることになった、次沢さん」
紹介されて美陽は会釈する。
「で、こっちが同じクラスでサッカー部の…」
龍月の言葉を遮って悠琉は自ら自己紹介をした。
「どうも、サッカー部部長勝谷悠琉です」
「あ、えと…次沢です」
美陽は緊張気味に言って、恥ずかしくなり鞄で顔を隠した。
悠琉は龍月の肩に腕を組んで、校舎側を向き静かに話し始めた。
「何で俺が知り合いたかった子が、陸上部にいんのよ。さてはお前、何かしただろう」
龍月は今日のことを悠琉に話した。
少しして束李が戻って来た。
「ごめんね、遅くなって。帰ろ美陽。じゃあ葵井先輩、お先です」
束李はそう言って先に歩き始める。
美陽は龍月と悠琉に向かってお辞儀をしてから、束李を追いかけて行った。