私にとって初めての恋。
束李は龍月にメールを送った。

『龍月先輩、勝谷先輩どうにかしてください!!』

メールの返信はすぐに来た。

『大丈夫だ、さっき俺の家を飛び出して行った』

つまり龍月の家で勉強でもしていたのだろう。
束李はそわそわし始める。
グラウンドではなく、校門の方に目をやると、束李と美陽がいる方に近づいてくる影があった。
束李は美陽はまだ気づいていないのを確認して校門の方に走って行った。

「勝谷先輩!!」
「っ!!」

束李は正直平手打ちをくらわしてやりたかったが、手が出そうになる寸前でやめた。

「早く、美陽のところに行ってあげてください!」

悠琉にも分かるように束李は怒っていた。
悠琉は走って美陽の方に行った。

「意気地なしと根性なしの男は嫌われますよ」

束李は聞こえないだろうと思い、普通に喋る声で吐いた。
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