私にとって初めての恋。
美陽と悠琉は存分に話し合った。
途中だった後夜祭も終わっていた。

「美陽、俺はお前が好きだよ。だから改めて言わせて」

美陽は目を赤くして首を傾げた。

「俺と、結婚してください」

その目はとても真剣ですべてを見据えているように思えた。
美陽は自信なさげに聞いた。

「私でいいの?」
「うん、美陽がいい」
「迷惑、かけちゃうかも」
「頼ってくれるなら嬉しい限りだよ」

悠琉は美陽を抱き寄せて、

「美陽、返事は?」

美陽は悠琉の目を真っ直ぐに見つめて微笑んだ。

「不束者ですが、よろしくお願いします!」
「…良かった」

美陽はまた涙を流す。

「美陽は案外、泣き虫なんだな」

悠琉に言われて制服の袖で拭う。
しかし悠琉に止められた。

「見ないでください…っ、恥ずかしいです」
「ふっ、可愛いから大丈夫」

悠琉は美陽の耳元で囁いた。

「もっと泣いて、もっと笑って、もっと甘えて、もっと我儘になって。俺は全部受け止めるから…」

美陽はそれに答えるように言った。

「精進します…!」

美陽の答えに悠琉は笑った。
2人は立って窓から外を見る。

「帰ろうか、家まで送るよ」
「あ、りがとうございます」

教室を出たところで美陽と悠琉の携帯にメールが入った。
美陽には束李から、悠琉には龍月から。

「美陽っ」
「確認してみます!」

美陽は神楽に電話をして宿泊の許可を得た。
2人は手を繋いで暗い夜道を歩く。
美陽の家に2人で向かった。
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