私にとって初めての恋。
その日の夜、美陽の元に神楽から電話が来た。

『もしもし美陽?今度そっちに楽が行くからよろしく』

電話が来たとき、美陽はお風呂に入っていて留守電が入っていた。

「…今度っていつだ?」

美陽はいつ来るのかモヤモヤしながら眠った。
次の日、朝早くから家のチャイムが鳴った。
美陽は目を擦りながら出る。

「はーい…」

玄関のドアを開けるとそこには。

「やほー!美陽。元気だったか?」
「え、楽君!?」

海外にいるはず…いや、いたはずの美陽の従弟・楽がドアの前にいた。

「な、何してるの?」
「?神楽のおばさんにはもう伝えてあると言われたけど…まさか」

あれかと美陽は思った。

「留守電はあったけど、今日だとは知らなかった…」
「んーそっか。とりあえず上がっていい?」
「あ、うん。どうぞ」

美陽は楽を家の中に招き入れた。

「久しぶりだな~」

久々に会う楽はどこか楽しそうだった。

「楽君、私これから学校だから家にいてくれる?」
「…休んでくれないの?」
「休めないよ。行ってきます」

いつの間に制服に着替えていた美陽は、昨日の夜のうちに作っておいたお弁当を持って家を出た。
美陽を見送る楽の表情はどこかつまらなそうだった。
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