私にとって初めての恋。
美陽は涙ぐみながら悠琉を真っ直ぐに見て言う。

「ワガママ言って困らせたらどうしようって、いつも思ってて…」
「うん」
「嫌われたくないから相手の邪魔にならないように、我慢だって…っ」
「うん」

悠琉は一つ一つに頷いていく。

「本当は離れたくないくらいずっと一緒にいたいんです。先輩は高校3年生で、受験で忙しいって思ってても声が聞きたくて、会いたくて」
「でも、邪魔になるかなって」
「邪魔じゃないよ。俺だって会いたいし声も聞きたいし、それこそずっと一緒にいたい。美陽と」

悠琉はゆっくりと立ち上がり美陽の隣りに座る。

「美陽の願いは全部叶えてあげたい。だからもっとワガママになってよ」

優しくぎゅっと抱きしめる。
二人の時間は15分よりも長く感じた。
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