紅い月が離れるとき

「わたし,平口。
よろしくね」

「…柚苗です。
―で,あたしの話って?」

「うん,例えばね」


平口さんが口を開けた瞬間

…ガラッ

「あれ,柚苗じゃん!
平口センセと何話してんだよ~」

「別にィ,暁がいなかったから
平口さんと話してた
だけだよー」

「ま,イイや」

「じゃ,わたしは…」
「バイバイ平口センセ」


あーあ,
聞きたかったな。
暁のあたしの話。

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