紅い月が離れるとき


「えっ!? 私みたいな?」


平口さんは,びっくりして
あたしに訊いた。


「へへ。はい」


少し恥かしかったけど
言うことにした。


「あたし,平口さんに
すごく感謝してるんですよ?
平口さんがいなかったら
暁はもっと早く死んでたかも
しれないでしょ?
あたし,平口さんの
行動見て,すごくかっこいい
なって思ったんです」


平口さんは照れながら


「ありがとう」


と頭を撫でた。


「あたし,頑張って
看護士になります!
それでもし,この病室に
きたら,前みたいに
厳しく指導してください」


「頑張ってね。
ここへ来て,たくさんの
ひとを助けましょ」


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