恋愛ノスタルジー
「だから、たまにここに足を運んだ人から電話で問い合わせがあった場合に凄く困るんだ」
「アキさんも大変ね。分かった。呼んでくる」
事務所に向かう美月の背中を見ながら、アキさんが小さく咳払いをした。
「あの……さ、彩ちゃん」
「はい?」
アキさんが、思いきったように口を開く。
「俺さ、リハビリに通おうかと思うんだ」
アキさん……。
アキさんが長めの前髪を避けるようにして私を見つめた。
確か四、五日前の搬入作業の最中、脚立に乗ってライティングを替えていたアキさんを心配すると、凌央さんがこう言ったっけ。
『医者がいうには、もうアキの足は治ってるらしい。未だに引きずる癖が抜けてないのは何らかの精神的な問題でリハビリ不足なんだ』って。
リハビリに通おうと思うって事はいい兆しなんじゃ……。
……なんか嬉しい。
足を引きずっててもアキさんが素敵な事に代わりはないけれど、精神的なものを乗り越えて前に進むなら私は応援したい。
「大賛成です!最初はあまり頑張りすぎず、無理しない程度に始めたらいいんじゃないかな」
応援したい気持ちが溢れ出てしまって思わず声が弾む。
そんな私を見て照れ臭そうに目尻を下げたアキさんも、何だか嬉しそうだ。
「アキさん……何かいいことでもあったんですか?」
何気なくそう尋ねると、アキさんはビクッとしたように肩を動かして私を見つめた。
「アキさんも大変ね。分かった。呼んでくる」
事務所に向かう美月の背中を見ながら、アキさんが小さく咳払いをした。
「あの……さ、彩ちゃん」
「はい?」
アキさんが、思いきったように口を開く。
「俺さ、リハビリに通おうかと思うんだ」
アキさん……。
アキさんが長めの前髪を避けるようにして私を見つめた。
確か四、五日前の搬入作業の最中、脚立に乗ってライティングを替えていたアキさんを心配すると、凌央さんがこう言ったっけ。
『医者がいうには、もうアキの足は治ってるらしい。未だに引きずる癖が抜けてないのは何らかの精神的な問題でリハビリ不足なんだ』って。
リハビリに通おうと思うって事はいい兆しなんじゃ……。
……なんか嬉しい。
足を引きずっててもアキさんが素敵な事に代わりはないけれど、精神的なものを乗り越えて前に進むなら私は応援したい。
「大賛成です!最初はあまり頑張りすぎず、無理しない程度に始めたらいいんじゃないかな」
応援したい気持ちが溢れ出てしまって思わず声が弾む。
そんな私を見て照れ臭そうに目尻を下げたアキさんも、何だか嬉しそうだ。
「アキさん……何かいいことでもあったんですか?」
何気なくそう尋ねると、アキさんはビクッとしたように肩を動かして私を見つめた。