恋愛ノスタルジー
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半年後。
キラキラと眩しい太陽に、心が解き放たれる。
爽やかな風と滑らかな白い砂浜。鮮やかに広がるブルートルマリンの海。
楽園のようなこの島で私達は一ヶ月の間、ゆったりと新婚旅行を味わう予定だ。
そ……それなのにー……。
「圭吾さん……まだですかぁ……?」
「……」
私の情けない声に、圭吾さんがスケッチブックから顔を上げた。
それから彼はジト目で私を見たかと思うとパチンとキャップをし、イラストペンを置く。
「……ヤメだ。もう止める。榊君には申し訳ないが俺は二度と描かない」
……多分凌央さんも別に期待してないと思うんだけど……。
クシャクシャと髪をかきあげながらバスルームに消えていく圭吾さんを見て、ようやくモデルから解放された私は背伸びをして息をついた。
事の起こりは昨日の結婚披露パーティー。
親しい人だけを招待したパーティーで、初めて圭吾さんは凌央さんと言葉を交わした。
凌央さんが結婚祝いとしてプレゼントしてくれた画が、ふたりの会話のきっかけだったみたいだ。
圭吾さんからすると、私が凌央さんに恋をしていた事もあり初めはぎこちない態度だったけれど、お互いに会社経営者だという事もあり、思想や信念に共通点もあったらしく打ち解けるのにさほど時間はかからなかった。
半年後。
キラキラと眩しい太陽に、心が解き放たれる。
爽やかな風と滑らかな白い砂浜。鮮やかに広がるブルートルマリンの海。
楽園のようなこの島で私達は一ヶ月の間、ゆったりと新婚旅行を味わう予定だ。
そ……それなのにー……。
「圭吾さん……まだですかぁ……?」
「……」
私の情けない声に、圭吾さんがスケッチブックから顔を上げた。
それから彼はジト目で私を見たかと思うとパチンとキャップをし、イラストペンを置く。
「……ヤメだ。もう止める。榊君には申し訳ないが俺は二度と描かない」
……多分凌央さんも別に期待してないと思うんだけど……。
クシャクシャと髪をかきあげながらバスルームに消えていく圭吾さんを見て、ようやくモデルから解放された私は背伸びをして息をついた。
事の起こりは昨日の結婚披露パーティー。
親しい人だけを招待したパーティーで、初めて圭吾さんは凌央さんと言葉を交わした。
凌央さんが結婚祝いとしてプレゼントしてくれた画が、ふたりの会話のきっかけだったみたいだ。
圭吾さんからすると、私が凌央さんに恋をしていた事もあり初めはぎこちない態度だったけれど、お互いに会社経営者だという事もあり、思想や信念に共通点もあったらしく打ち解けるのにさほど時間はかからなかった。