恋愛ノスタルジー
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数日後。
「凌央さん。デッサン鉛筆削りましたし練り消しも取り替えました」
「おう!助かる」
美月と女子会を開いた数日後、漸く私は凌央さんのアシスタント業に慣れてきていた。
「あ、カッターの刃を替えたんですけど最後の一枚でした。ストックどこですか?」
「あの引き出しの中。それとクロッキー帳、小さい方も出しておいてくれ」
「はい」
凌央さんが指で示した壁一面の棚に歩を進めると、私は背伸びをして引き出しの中を覗き込んだ。
……つもりが……中が見えない。
「わ、わ」
挙げ句につま先立ちのせいでよろける始末。
直後、後頭部にコツンと何かが当たる。
「チビ」
声の後、フワリと凌央さんの香りが漂った。
どうやら、後頭部に当たったのは凌央さんの身体らしい。
「……背は……普通だと思うんですけど」
ドキマギしながら咄嗟にこう言うと、いとも簡単に背後から手を伸ばした凌央さんが、引き出しの中の替刃ケースを取り出した。
「じゃあただのドジか」
ポン、と頭に温かい凌央さんの手のひらが乗る。
「ドジって……」
「ははは。悪かったな。今度から届かない場所にあるヤツは俺がとる」
私を覗き込んで笑うその顔に、反射的にキュンとしてしまう。
数日後。
「凌央さん。デッサン鉛筆削りましたし練り消しも取り替えました」
「おう!助かる」
美月と女子会を開いた数日後、漸く私は凌央さんのアシスタント業に慣れてきていた。
「あ、カッターの刃を替えたんですけど最後の一枚でした。ストックどこですか?」
「あの引き出しの中。それとクロッキー帳、小さい方も出しておいてくれ」
「はい」
凌央さんが指で示した壁一面の棚に歩を進めると、私は背伸びをして引き出しの中を覗き込んだ。
……つもりが……中が見えない。
「わ、わ」
挙げ句につま先立ちのせいでよろける始末。
直後、後頭部にコツンと何かが当たる。
「チビ」
声の後、フワリと凌央さんの香りが漂った。
どうやら、後頭部に当たったのは凌央さんの身体らしい。
「……背は……普通だと思うんですけど」
ドキマギしながら咄嗟にこう言うと、いとも簡単に背後から手を伸ばした凌央さんが、引き出しの中の替刃ケースを取り出した。
「じゃあただのドジか」
ポン、と頭に温かい凌央さんの手のひらが乗る。
「ドジって……」
「ははは。悪かったな。今度から届かない場所にあるヤツは俺がとる」
私を覗き込んで笑うその顔に、反射的にキュンとしてしまう。