御曹司様はシンデレラを溺愛する

すると、隣の人が声をかけてきた。


「僕が手伝いますよ」


尊様とは違う種類の美男子と呼ぶに相応しい男性がにこりと笑う。


「あ、ありがとうございます」


「何を取りましょう?」


「デザートをお願いします」


本当は、ステーキを載せたかったが、美男子に山盛りの生ハムとローストビーフを見られている以上、さすがに乙女心が出てしまった。


「こちらのボール皿にサラダもお願いできますか?」


今更、サラダなんて笑える。


だが、男性はにこりと微笑みボール皿にサラダも乗せて持ってくれる。


「どちらで食べられますか?」


広間の四隅に置かれた立食用に用意されたテーブルは、全て使用中。


「少し肌寒いですが、テラス席に移動しましょうか?そこならゆっくりと席についてお食事できますよ」


尊様との約束も忘れ、彼の言葉に頷き広間に隣接したテラスに出ていた。


そして、向かい合って席に着くなりボーイの方がトレイの上に幾つかの飲み物を持って来た。


「何を飲まれますか?白ワイン、シャンパン、ビネガー、赤ワイン後は…」


美男子の男性は、トレイの上の飲み物を順番に告げ教えてくれる。


「シャンパンで」
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