御曹司様はシンデレラを溺愛する

「僕も同じ物で」


ボーイは、テーブルに2つのシャンパンを置いて下がっていく。


「どうぞ」


グラスを持ち、私に差し出してきたので受け取ると、彼ももう一つのグラスを持った手でカチンとこちらのグラスと音を鳴らした。


「乾杯」


そう言って一口口をつけたので、私も一口飲んだ。


「君は、尊とどんな関係なのかな?」


一口飲み終えたタイミングで、近づいてきた本題に入ってきた。


あんな物見たら気になるよね。


「…お会いしたのは今日が初めてです」


驚いている美男子。


「へー、彼のあんな姿を初めて見たから、恋人なのかと思ったけど違ったんだね」


「ロビーでお会いしてエスコートして頂いただけです。今日は、合同お見合いではないのですか?」


「名目はね。ここにいるメンバーは、ほとんど小さな時から顔見知りだし、今更って感じ。家の繋がりを持つ為に結婚相手を探すには楽でいいんだろうけど、女性側と違って男性陣にしたらその場の雰囲気を楽しんでいるメンバーがほとんどだと思うね。意味のない会なんて辞めてしまえばいいと思うよ」


「そうだったんですね」


それなら気が楽だ。
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