御曹司様はシンデレラを溺愛する
「でもたまに、君のような新人がいたり、尊のように気まぐれで参加してくる奴もいるから誰も辞めようと言わないんだ」
「彼はどんな方なんですか?」
「あれ?知らない?麻生財閥の御曹司だよ。幾つ物の高級ホテル経営して、海外にも進出している『リィツ』だよ」
「あっ、知ってます。そんな凄いお家の方だったんですね」
「君、面白いね…麻生財閥の御曹司だと知らないで一緒にいたんだ。なるほど…だからか!」
何1人で納得しているんだろう?
「僕は、斎藤 宗馬。これでも一応、御曹司だよ。君の名前、教えてくれない?」
いや、無理でしょう。
これ以上、トラブルは避けたい!
手に持っていたグラスを奪われ、距離が近くなる。
そして、握られた手。
「僕も、君に興味が出てきた。どうかな?この後2人きりで」
握られた手がスパンと引き離され仁王立ちする険しい表情の男性に私の手首は握られていた。
そこにいたのは尊だった。
「お前とは2人きりさせない。それ以上近寄るな!優里亜が妊娠する」
「そんな事で妊娠するか。どれだけの独占欲だよ…お前のそんな必死な顔、初めてだな」
そうだそうだ、そんなことで妊娠しないぞ。