御曹司様はシンデレラを溺愛する
「うるさい。彼女は俺のだ」
「ムキになるなよ。珍しくお前が女といて楽しそうにしてるから、ちょっと気になって声をかけただけだよ。話してみて、俺も興味でたけどな」
「チッ、一人きりにさせるんじゃなかった」
「あのー、ケンカならお2人でどうぞ。私は失礼いたしますので手を離してください」
捕まえられている反対の手でお皿を持ち、手を離してほしいと訴えた。
「離さない。君は俺との約束を守らなかったのだから、お仕置きだ」
「なにするんだ?俺も混ぜてくれよ」
斎藤と名乗った男性は、楽しげに乗り気だ。
「お前もお仕置きしてほしいのか?それなら、麻生グループ全ホテルの出入り禁止とかどうだ?」
斎藤と名乗った男性の楽しげな表情が一気に青ざめていく。
「うわぁ、ダメダメ。女の子とイチャイチャできないじゃん。退散するから、出禁は許してくれるよな?」
「ふん、さっさと退散しろ」
「じゃあ、君、後でお仕置きに何されたか教えてね」
クスッと笑い、グラスを持って退席し、室内に戻ってしまった。
教えるか!
お仕置きなんて、物騒な…そこまでの事をしたのだろうか?
ドサッと、真横に座る尊に驚き、そっと視線だけを彼に向ける。