御曹司様はシンデレラを溺愛する
それを優里亜にしっかりと見られ、姫花におこった出来事をたやすく見破られていたとは想像もしていなかった。
「姫花が麻生の御曹司に一目惚れしたって事はわかったわ」
「な、なに言ってるの。一目惚れなんてしてないからね」
優里亜の疑いの目に目をそらした。
「まだ、私に話してない事あるでしょう?」
「な、ない、ない。ないからね」
「ふーん、てっきりキスされたのかと思ったけど」
確信をつかれ、顔が真っ赤になってしまった。
「ど、どうしてわかったの?」
「さぁ、なんででしょう!」
「見てた?」
「私は、ダーリンと旅行中です」
「じゃあ、どうして?」
「私は、姫花の魔法使いのお婆さんだから?」
「ごまかさないで」
「ふふふ、彼の話しをしながら無意識に唇を触ってたわよ。何かあるって普通気がつくって…そんなに彼とのキス良かった?」
もう、優里亜は!
「そんな事聞くなんてお嬢様らしくないよ」
「私がお嬢様らしくないの知ってるでしょ…興味あるのにないふりなんて、私の性格的に無理なんだから…それで、どうだったの?」
うっ…
「良かったと思う。突然だったけど嫌じゃなかった」