御曹司様はシンデレラを溺愛する

「うわぁ、突然って、そういう雰囲気じゃなかったのにって事でしょ!」


「うん。お仕置きだから」


「バカね、お仕置きなんて口実。姫花とキスしたかっただけよ。そうか、麻生の御曹司がね。ふーん」


「なに、そのふーんって!なに納得してるの」


「姫花、シンデレラの話に出てくる王子さまって、靴を忘れたシンデレラをどうしたっけ?」


「家来に靴を持って探させた…って、まさかね」


「そのまさかの展開になったら、面白そう…ふふふ」


「面白くない。きっと、その場の雰囲気に勘違いしてただけだよ。きっと、忘れてる」


そうであってほしい。


「麻生の御曹司のどこが嫌なの?外見はタイプなんでしょう?」


「見た目は素敵だと思うよ。最初、優しくエスコートしてくれたし、可愛らしいって言われてまんざらでもなかった。こんな素敵な人がいるんだってちょっとときめいたかもしれないけど、腹黒で傲慢な人はいやなの」


「ちょっと、エスコートしてもらったの⁈可愛らしいって言われたの⁈まだまだ話してない事が出てきそうね」


「もうないって…隠してた訳じゃないの。言うほどの事でもないって思ってたから言わなかっただけだからね」

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