御曹司様はシンデレラを溺愛する

危険人物は御曹司様





その日の夜に、優里亜から電話がかかってきた。


『バレたわよ』


真っ先に言われた一言に、姫花は青ざめる。


「やっぱり、そうだよね。叔父様にこ迷惑かけてない?」


『それは大丈夫。彼の目的は別のとこにあったんだから、お父様とは挨拶だけしかしてないわ。まぁ、お父様の方は話たがっていたけど、招待客の名前に加藤家が多い事で、そちらの方々と盛り上がっていたかしら。そんな事より、彼はあなたを探しているわよ。加藤と言う姓を持つ娘が私も含めて数人呼ばれていて、私が優里亜だって知ったらがっかりしてたわ』


「まさか、そんなはずはないわ」


優里亜のような綺麗な女性を見て、がっかりするなんて信じられない。


『嘘は言ってないわよ。身代わりだったって知ったら
彼女は誰だってしつこくて、会わせてくれってお願いされたけど、姫花の気持ちが大事だから、名前とアルバイト先しか言ってないわよ』


「えっ、優里亜。なんて言ったの?私の聞き間違い⁈名前とアルバイト先を言ったって聞こえたけど、間違いよね?」


『間違えてないわよ。片方が名前も職業も知っているのに片方は知らないなんて不公平でしょう』


いやいや…優里亜さん。
理不尽が嫌いだからって、言っていい事と言ったらダメな事があるんですけど!
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