御曹司様はシンデレラを溺愛する
3、御曹司様からの溺愛が止まりません
御曹司様と同棲することになりました
シンデレラの物語なら、ガラスの靴の持ち主のシンデレラが見つかりみんなに祝福されて王子さまとお城で幸せに暮らしました。
ハッピーエンドでおしまいおしまいなのに、私は全然ハッピーじゃない。
傲慢な彼は、どこまでも傲慢な人だった。
社員の皆さんが見ている事も忘れ、愛の告白めいたとこまでは良かった。
少しずつお互いを知って、理解し、尊重できる関係を築けたらと思っていたのに、突然の独占欲だ。
チーム長に彼は告げた。
「今から彼女は早退ですよね」
麻生のトップにそう言われては、チーム長も何も言い返せないらしい。
「はい」
あんなに、私にはきつく言ってた人が権力者には手のひらを返していいなりになるのだと目の当たりにして、世間の怖さを感じた。
それから、手を掴まれ有無も言わされないまま、彼とエレベーターで上昇すると、着いた先は最上階にある副社長室だった。
そこで、初めて彼が麻生グループの副社長だと知った。
そして、驚いている暇もなく彼はとんでもない事を言い出した。
「姫花、今すぐ俺のマンションに引越しだ」
はい?
「なぜ?」
「お前をあんな安いマンションに住まわせておくわけにはいかない」