御曹司様はシンデレラを溺愛する
しばらく、お茶菓子を食べて時間を過ごすていると、彼は仕事を終わらせたのか、横に座ってきた。
「美味しいか?」
「あぁ、これね。美味しいわ」
「俺にも味見させろよ」
そう言って、唇を塞ぎちょっと強引に口内に侵入して舌を絡めてくる。
甘い雰囲気もなく、味見がどうしてキスになるのか分からず逃げようと抵抗するが、相手の方が上手なのでかなわない。
彼の思うまま、キスを堪能されてしまう。
キスから解放された時は、何も考えられないほどボーとしていた。
それをいいことに、彼は私を連れ出し車に乗せ着いた先は、彼のマンションだった。
「なんなの、この広さ」
最上階のフロアが全て彼の家だった。
「ここに、私も住むの?」
「そうだ。ここなら安全だ。あのマンションは解約して、今日からお前の家はここだ」
もう、この時は反抗する気もなかったから素直に頷いた。
だけど、仕事も辞めさせられてしまうなんて聞いていない。
彼に抗議すると
「掃除がしたいなら、ここを掃除していろ」
と言う。
キッチン、リビング、そして2人の寝室にそれ以外の客間、浴室にトイレあまりの広さと数に、1人では掃除しきれない。