御曹司様はシンデレラを溺愛する
ペロリと文句も言わずに食べてくれる彼。
食事が終われば、傲慢な彼が戻ってくる。
「姫花、おいで」
「まだ、片付けが…」
「いいから」
彼の膝の上横向きに座るのも日課になっている。
そして、長い夜が始まるのだ。
彼が満足するまでのキスが続くはずが、今日は何かが違う。
甘いキスの途中
「姫花、お父さんと連絡取ってるか?」
ギクッとして体が跳ねる。
「その様子だと連絡取ってないんだな。だと思ったよ」
「取る必要ある?」
「今すぐしろ」
出た、傲慢。
こちらの意見を聞きもしないで我を通す。
「いやよ」
「しろ」
「なんでよ」
「お前の父親だからだ。俺と一緒に暮らしているって知らないだろう?」
「言ってないけど、知る必要がある?」
私の鼻先を摘みながら、呆れ顔の尊。
「もういい、携帯を貸せ」
ポケットから携帯を取り上げられ、アドレスを開いたと思ったら、もう既にコール音がしていた。
『もしもし、姫花か?』
「突然、遅くにすみません。私、麻生 尊と言います。今、彼女と一緒に暮らしていまして、結婚を前提にお付き合いさせて頂いております」