御曹司様はシンデレラを溺愛する
『当たり前だ。お前はしっかりしているようで何もできないと思っていた。だが、しっかりと自立して働いていると優里亜ちゃんから聞いていたから、安心していたんだ。しばらく放っておいてあげてほしいと言われたよ。だから、こちらから連絡もしなかった』
私の知らないところで優里亜が父と私の間に入っていてくれたとは、親友の優しさに甘え何も知らなかった事が恥ずかしい。
『今度、彼を連れて家に来なさい』
「…うん」
『待ってるよ』
そう言って、電話が切れると涙が溢れてくる。
「電話してよかっただろう⁉︎」
したり顔で、傲慢な彼は私の涙を拭ってくれた。
「電話の内容が問題だけどね」
「なんの事だ?」
「結婚を前提にってなに?」
「俺が、結婚を考えないで処女のお前に手を出すはずがない。もう、俺の側から離れられないほど、体に教え込んだはずだが、まだ、教え足りなかったようだな。今日は朝まで寝かさないから、頑張れよ」
そう言って、宣言通りに抱き潰された。
翌日、優里亜に感謝の電話をかける。
「お父さんと話したよ。いろいろ優里亜に迷惑かけてごめんね」
『おじさんの傲慢さは、姫花を心配していたからって知ってたから、気にしないで。仲直りできてよかったわ』